誰も知らない。
そう望んだ。そう、望んだ。
たくさんの星々に囲まれ、なお一人。
光と熱に焦がされるようでチリチリする。
目的を見失いながらも、留まり走り抜けた。
狂気じみた、信仰のような自戒。
遠い時間。忘れゆく時間。
思い出せないのか、思い出さないのか。
ふと開く感傷的な扉の
その先はどんな世界だったろうか。
美しくもみっともなく。
わずかな幸せと積もりゆくつらさ。
熱い。一瞬のきらめき。
目には見えない、響きだけ。
泣いたのは、共有できなかったから。
冷めゆく温度と生まれ変わっていく世界。
もう、戻ることはない。
確かにあった。
誰も知らないはずだった。
こぼれ落ちようと、消えることはない。
祈りのような物語。